中銀の匙加減の行方、神経質になる市場

 サブプライム危機以降世界的な金融緩和が続きましたがここにきまして徐々に各国中央銀行の政策の転換が話題になってきております。
今まで大量の資金を市場に投入してきましたがその流れは変わるのでしょうか。
2018年に入り活況が続いていた株式市場に急落の一方が届いたのはまだ数週間ほど前の事でしたが、その理由の一つとしてあげられているのが米国の長期金利上昇です。
長期金利の上昇は経済活動において資金の調達の弊害となり活性化していた経済活動を停滞させインフレを抑止する役割がありますが、今回は何故急落といった事態に陥ったのでしょうか。

色々な原因が言われている中、私は市場の流動性の低下が一つの原因であると考えております。具体的には市場参加者の偏りこそが価格を一方的に向かわせる要因であると認識しております。市場には本来強気派と弱気派のバランスがとれてこそ価格の安定性が成り立ちます。しかし、長年続く金融緩和の弊害ともいえる状況が市場に現れ始めています。
それはリスクをとってくれる者の存在を市場から追い出してしまったということです。
結果、中央銀行の資産を圧縮、つまり資産を売却することでバランスシートを圧縮してしまうとその影響が予想以上に市場に反映されこの様な急落を招いてしまうということです。

不動産をはじめ世界的な価格上昇が起こっている今、新規取得者にとっては高い価格での購入を余儀なくされるために負担が徐々に増してきております。日本においても2017年度マンション取得単価が平均で過去最高になる等購入者の負担は増してきております。価格の上昇のピッチが加速することで危機を察した中央銀行が金融緩和の転換点を模索し始めるのは当然の事と言えるでしょう。

さて、この中央銀行の金融政策の転換は仮想通貨市場にどの様な影響を与えていくのでしょうか。仮想通貨、私の場合はとりわけビットコインをとりあげておりますがビットコインは発行枚数が制限されているという特徴があります。発行枚数は全部で2100万枚で現在その過半数は既に市場に出回っております。ビットコインの価値はとりわけ流通する法定通貨との割合で本来価格が決まると考えると中央銀行の政策転換は価格の下落を示唆します。
しかし、今回の急落のように中央銀行の政策に神経質になっている状況ですと中央銀行もおいそれと簡単に政策を変更できないジレンマに陥っている可能性もあります。
また、仮想通貨市場は誕生して間もないために、その市場規模自体がどの程度が適切なのか成長段階の途中といえるでしょう。
今後は中央銀行の政策転換を睨みつつ、仮想通貨市場の成長が続いていくのか両者の駆け引きが価格にも影響してくるだろうと予測します。

Source:
Reuters
アングル:世界景気、中銀の政策転換で変調か

朝日新聞
17年のマンション平均価格、過去最高4739万円

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