ビットコインのライトニングネットワークはどの様な技術なのか。ビットコインのスケーラビリティ問題や、Segwitの実装といったお話は多くの方が説明しておりますのでここでは省かせていただき、実際どの様な使われ方をするのか簡単に解説していきます。
ライトニングネットワークは3つの代表的なグループ(ACINQ、Blockstream、Lightning Labs)とビットコインコミュニティーの方達によって開発されています。地域で異なるソフトウェアの開発を行った場合でも相互に互換性があるように開発されている為にこの様な開発形態をとっています。例えばアメリカからヨーロッパに旅行に行った際、異なるウォレットを利用していてもライトニングネットワークを使用できるようにする為です。
しかしライトニングネットワークを利用するためにはライトニングネットワークを利用できるマルチシグアドレスである事が条件となります。このアドレスにビットコインを移動しておくことが前提となります。
上記の条件を踏まえた上でライトニングネットワークのメリットとデメリットを列記してみましょう。
メリット
・オフチェーンでの決済が可能
・決済は瞬時に終了する
・決済に対して秘匿性がある
・理論上2者間の同意があれば決済のキャンセルも可能 ※注
・理論上手数料が0でも実装可能 ※注
デメリット
・ライトニングネットワークの実装されたウォレット同士での取引でないと使用できない
・普及率が低いと利便性を享受できない
オフチェーンでの決済とは、一言で言いますとブロックチェーンに繋がっていない状態でも2者間で決済が完了できるという事です。そして2者間での決済はオンチェーンで行われませんので秘匿性があります。具体的にはトランザクションが発生しませんので何に使ったかは当事者間でのみ確認できます。
さて、ここからは私見になりますがこのライトニングネットワークをどの様に実装していくのでしょうか。初心者やビットコインに興味の無い方はマルチシグアドレスと聞いてもさっぱりでしょう。おそらくここで差別化を行っていくのが交換所になっていくのではないでしょうか。ビットコイントレーダーに関しましては取引所が重要になりますので交換所は必要ありません。しかし、コーヒーを飲んだりサンドウィッチを食べたりするためにビットコインを購入する方は交換所でビットコインを購入する方が楽にできます。(現実問題として交換所のスプレッドが高すぎて利便性に欠けるデメリットはあえて省かせていただきます)
つまり、交換所こそがライトニングネットワークの肝となりCoinbaseに挙げられる様に1200万人以上の口座を持つ企業は非常に有利となります。日本ですとトレードが主体となっておりますがアメリカを始めとするビットコインノード大国では次の段階を見越して開発が進んでいます。
「え?交換所にビットコインを置いておくとMtGox事件の様な事があったら損失をだしてしまうのでは…」ライトニングネットワークを利用すると自分だけがアクセスできるウォレットにビットコインを置くことも理論上可能となりますので交換所に問題が起きた際もビットコインに関しましてはリスクを回避する事も可能と予見しております。
※注意:私見以降の文章は個人的な未来予測に対しての内容でありそれを保証するものではありません。お読みになる際には十分ご注意ください。
Source:
Lightning Developers
Lightning Protocol 1.0: Compatibility Achieved
Forbes
Will Bitcoin’s Lightning Network Kill Off Altcoins Focused on Cheap Transactions?
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